ペットの骨を納骨できる?

近年、ペットを飼う方が増加しています。一般社団法人ペットフード協会による調査によれば、平成28年度の犬猫飼育頭数全国合計は、1,972万5千頭と推計されています。他の調査期間によれば、3世帯に1世帯はペットを飼っているとも言われているようです。

そこで、問題となるのは「ペットが亡くなったとき、その骨を墓地へ納骨することができるのか」という点です。「いずれ自分も入る『お墓』にペットも一緒に納骨してほしい」「ペットとともに睡りたい」というニーズが増えていることは事実でしょう。

墓地埋葬法により許可を受けた墓地は、本来人間の遺体や焼骨を納めることを前提としており、墓地管理者は「正当な理由」があるときには、埋蔵の求めを拒むことができるとされています(墓地埋葬法13条)。
ペットの骨(焼骨)は、墓地埋葬法上の焼骨にはあたらないため、墓地管理者が「動物であること(人間の骨ではないこと)」を理由として納骨を拒否することは、「正当な理由がある」ものと判断されています
酷なようですが、飼い主にとってはかけがえのない存在であっても、他の者(墓地管理者や他の墓地使用者)からみれば「動物」と言わざるをえず、法律上は「一般廃棄物」と扱わざるを得ないので、このような取り扱いがなされているのです。
最近では、「ペット霊園」というものも増加していますので、そちらの方に納骨して供養することが増えているのが実情だといえます。

なお、ペット霊園は「霊園」という言葉が使われていますが、墓地埋葬法の適用は受けないため、正確な意味での墓地(霊園)ではありません。株式会社や有限会社が経営することもできます。

一方、墓地埋葬法上の「墓地」の経営主体は、墓地の永続性及び非営利性の確保の観点から、市町村等の地方公共団体が原則であって、これによりがたい事情があっても宗教法人又は公益法人等に限られるとされています(厚生省生活衛生局長通知参照)。

この点も豆知識として理解すると、法律の理解が深まると思われます。

 

【ブログ管理人の一言】

「おかあさんといっしょ」(Eテレ)のだいすけお兄さんが卒業することに驚いている弁護士の種田和彦です。子どもに親しまれる秘訣をたくさん勉強させてもらいました、卒業は寂しいですね。

次回は、「葬儀費用の負担は誰がすべきか」という点について、解説したいと思います!